e-Taxで確定申告に印鑑は不要!スマホで完結するメリットと必要準備を徹底解説

「確定申告って、何だか難しそう…」「印鑑って本当にいらないの?」「どこから手をつけていいか分からない」――もしあなたがそんな不安を感じている20代、30代なら、この記事がきっと役立ちます。

実は、e-Taxを利用した確定申告では、印鑑はもう必要ありません。2021年4月1日以降、確定申告書の押印義務は廃止され、行政手続きのデジタル化が大きく進みました。これは、電子署名とマイナンバーカードに格納された電子証明書によって本人確認が行われるため、セキュリティを保ちつつ、より手軽に申告ができるようになったからです。

e-Taxの最大のメリットは、自宅や外出先からでも24時間いつでも申告できる利便性にあります。税務署に行く手間や待ち時間がなくなり、添付書類の一部も省略できるため、忙しいあなたでも効率的に手続きを完了できます。さらに、還付金が書面申告よりもスピーディーに振り込まれるという嬉しいメリットも。

この記事では、e-Taxで確定申告をするために必要なマイナンバーカード、対応スマートフォン(またはICカードリーダー)、利用者識別番号の取得、そしてe-Taxソフトや確定申告書作成コーナーの活用方法を、準備から具体的な手順まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。スマホ一つで確定申告を完結させる方法も紹介しているので、「今年こそはe-Taxに挑戦したい!」と考えている方は、ぜひ最後まで読んで、スマートな確定申告を始めましょう。

e-Taxでの確定申告に印鑑は不要!押印廃止の背景

結論から言うと、e-Taxを利用して確定申告を行う場合、原則として印鑑は不要です。これは、近年進められている行政手続きのデジタル化の一環であり、利用者にとって利便性の高い仕組みとなっています。かつては確定申告書への押印が必須でしたが、このルールはすでに過去のものとなっています。

確定申告書の押印廃止はいつから?

確定申告書の押印義務が廃止されたのは、2020年度の税制改正によって、2021年4月1日以降に提出する申告書からです。これにより、所得税や消費税などの各種申告書だけでなく、法定調書や申請書・届出書についても押印が不要となりました。この改正は、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした行政手続きのデジタル化・簡素化を加速させる動きの一環として導入されました。

具体的には、国税通則法や所得税法など、関連する複数の法律が改正され、押印義務に関する規定が削除されました。これによって、個人事業主や法人、給与所得者など、確定申告を行うすべての人にとって、手続きの負担が大きく軽減されることになったのです。

なぜe-Taxでは印鑑が不要なのか

e-Taxで印鑑が不要になった背景には、電子署名と電子証明書による本人確認の仕組みがあります。従来の書面での申告では、印鑑による押印が本人確認の手段の一つとされていましたが、e-Taxではこの役割を電子的な方法で代替しています。

  • 電子署名:電子署名は、書面における署名や押印に相当する役割を果たすもので、データの作成者が誰であるか、またそのデータが改ざんされていないかを証明する技術です。e-Taxでは、この電子署名によって申告データの真正性を確保しています。
  • 電子証明書:電子証明書は、電子署名を行う際に必要となる「印鑑証明書」のようなものです。これは、特定の個人が本人であることを公的に証明するもので、マイナンバーカードに搭載されている公的個人認証サービスなどがこれにあたります。

つまり、e-Taxでは、マイナンバーカードに格納された電子証明書と、それを用いて行われる電子署名によって、申告書の作成者が本人であること、そして申告内容が改ざんされていないことが高度に証明されるため、物理的な印鑑による押印が不要になったのです。この仕組みは、書面での手続きよりもセキュリティ面で優れているとされており、なりすましや改ざんのリスクを低減する効果も期待されています。

また、ペーパーレス化の推進も大きな理由の一つです。印鑑が不要になることで、申告書の印刷や郵送、税務署への持参といった手間が省け、オンライン上で手続きが完結できるようになりました。これは、行政の効率化だけでなく、納税者自身の利便性向上にも大きく貢献しています。

e-Taxで確定申告をするメリット

e-Taxを利用して確定申告を行う最大のメリットは、その圧倒的な利便性の向上にあります。従来の書面での申告に比べて、時間や場所に縛られることなく手続きを進められるため、多忙な現代人にとって非常に効率的な選択肢と言えるでしょう。

どこからでも申告できる利便性

e-Taxの最大の魅力は、まさに「場所を選ばずに申告ができる」点に集約されます。インターネット環境と必要な準備が整っていれば、自宅やオフィスはもちろん、出張先や旅行中でも、自分の都合の良いタイミングで申告を完了させることが可能です。

例えば、年末調整の時期を終え、いざ確定申告の準備を始めようと思っても、税務署の開庁時間は平日のみで、仕事をしていると足を運ぶのが難しいという方も少なくありませんでした。しかし、e-Taxであれば、24時間いつでもアクセスできるため、夜間や休日など、ご自身のライフスタイルに合わせて手続きを進められます。また、書面での申告で必要だった税務署への移動時間や交通費、そして窓口での待ち時間も一切不要です。これにより、時間的・金銭的なコストを大幅に削減し、確定申告に関するストレスを軽減できるのです。

添付書類の省略

e-Taxで申告する場合、一部の添付書類の提出が省略できるという大きなメリットがあります。具体的には、医療費の領収書や生命保険料控除証明書、寄付金受領証明書など、税額の計算根拠となる書類の提出を省略できます。

これは、これらの書類の情報を申告データに直接入力することで、提出が不要になるためです。もちろん、自宅での保管は義務付けられており、税務署から提出を求められた場合には速やかに提示できるよう、整理して保管しておく必要がありますが、申告時の物理的な手間は大幅に軽減されます。例えば、医療費控除を申請する際に膨大な領収書を一枚一枚添付する必要がなくなり、書類整理の手間と郵送コスト、そして紛失のリスクを減らすことができます。これは、特に書類が多い方にとっては計り知れないメリットと言えるでしょう。

還付金がスピーディー

確定申告で還付金が発生する場合、e-Taxを利用すると、書面での申告に比べて還付金がスピーディーに振り込まれる傾向にあります。これは、電子データで申告されるため、税務署での処理が効率的に行われるためです。

一般的に、書面で申告した場合、還付金が振り込まれるまでに1ヶ月から1ヶ月半程度かかることがあります。しかし、e-Taxで申告すると、おおむね2週間から3週間程度で還付されるケースが多く、場合によってはそれよりも早く振り込まれることもあります。例えば、多額の医療費を支払って還付申告をする場合や、ふるさと納税による寄付金控除で還付が発生する場合など、少しでも早く還付金を受け取りたいと考える方にとって、e-Taxは非常に有効な手段となります。これにより、納税者自身が資金を早く手元に戻すことができ、その後の資金繰りにも良い影響を与える可能性があるのです。

e-Taxで確定申告をするために必要な準備

e-Taxを利用して確定申告を始めるためには、いくつかの事前の準備が必要です。これらの準備を滞りなく済ませることで、スムーズに申告手続きを進められます。

マイナンバーカードと対応するスマートフォン(またはICカードリーダー)

e-Taxでの確定申告に印鑑が不要になった背景には、電子証明書による本人確認があると前述しました。この電子証明書が格納されているのがマイナンバーカードです。そのため、e-Taxで申告する上でマイナンバーカードは必須となります。

マイナンバーカードを既に持っている場合は、次にその情報を読み取るためのデバイスが必要です。主に以下の2つの方法があります。

  • NFC(近距離無線通信)対応のスマートフォン:最近のスマートフォンにはNFC機能が搭載されており、マイナンバーカードをかざすだけで電子証明書の情報を読み取れます。これが最も手軽な方法であり、多くの方がスマホ一つで確定申告を完結できるようになっています。例えば、iPhone 7以降のモデルや、Androidの一部機種がこれに該当します。国税庁のウェブサイトで、対応機種の一覧を確認できるので、事前に確認しておきましょう。
  • ICカードリーダー:スマートフォンがNFCに対応していない場合や、PCで申告を行う場合は、別途ICカードリーダーが必要になります。ICカードリーダーは、パソコンに接続してマイナンバーカードを挿入することで、電子証明書の情報を読み取るための機器です。家電量販店やオンラインストアで購入できます。購入する際は、公的個人認証サービスに対応している製品を選ぶことが重要です。

どちらの方法を選ぶにしても、申告を開始する前に、自身のデバイスがマイナンバーカードの読み取りに対応しているか、またICカードリーダーが必要な場合は手元にあるかを確認することが、最初のステップとなります。

利用者識別番号の取得

e-Taxを利用して申告を行うには、「利用者識別番号(16桁の番号)」が必要です。これは、e-Taxのシステムを利用するためのIDのようなもので、初めてe-Taxを利用する方が必ず取得しなければならないものです。

利用者識別番号の取得方法はいくつかあります。

  • オンラインで取得:最も簡単なのは、e-Taxのウェブサイトにある「開始届出書作成・提出コーナー」を利用して、オンラインで取得する方法です。必要な情報を入力し、送信することで即時に発行されます。この際、マイナンバーカードとICカードリーダー(または対応スマートフォン)があれば、よりスムーズに手続きを進められます。
  • 税務署で取得:税務署の窓口で職員に依頼して、その場で利用者識別番号を発行してもらうことも可能です。手続きは簡単で、身分証明書などを提示すればすぐに発行してもらえます。
  • 税理士に依頼:税理士に確定申告を依頼する場合、税理士が納税者に代わって利用者識別番号の取得手続きを行うこともあります。

この番号は、e-Taxにログインする際に必要となるため、必ず控えて大切に保管しておきましょう。一度取得すれば、翌年以降も同じ番号を継続して利用できます。

e-Taxソフトまたは確定申告書作成コーナー

確定申告書の作成と提出には、国税庁が提供している以下のいずれかのツールを利用します。

  • e-Taxソフト:パソコンにインストールして利用するソフトウェアです。より詳細な機能や複雑な申告内容に対応できるため、個人事業主や法人、専門家などが利用することが多いです。会計ソフトと連携できる機能も備わっています。
  • 確定申告書作成コーナー:国税庁のウェブサイト上で提供されているサービスで、ソフトウェアのインストールが不要なウェブブラウザ版です。給与所得者や年金受給者、比較的シンプルな確定申告を行う方にとっては、このコーナーが直感的で分かりやすく、おすすめです。特に、近年はスマートフォンからの申告に特化したUIも提供されており、スマホ一つで完結したい場合に非常に便利です。

ご自身の申告内容や利用環境に合わせて、最適なツールを選びましょう。どちらのツールも、画面の指示に従って収入や控除の情報を入力していくことで、自動的に税額が計算され、申告書が作成される仕組みになっています。また、事前に準備した源泉徴収票や控除証明書などの情報を手元に用意しておくと、スムーズに入力作業を進められます。

e-Taxでの確定申告の具体的な手順

ここからは、e-Taxを利用した確定申告の具体的な流れについて解説します。大きく分けて、スマートフォンで完結する方法と、パソコンで進める方法があります。どちらの方法でも、基本的には国税庁の提供するシステムを利用するため、手順は非常にわかりやすく設計されています。

スマホで申告する場合

結論として、NFC対応のスマートフォンとマイナンバーカードがあれば、ほとんどの人が確定申告をスマホ一つで完結できます。これは、近年特に利用者が増加している最も手軽な方法です。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス:スマートフォンのウェブブラウザから、国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスします。
  2. 申告内容の選択と入力:「所得税の確定申告書を作成する」などの項目を選び、画面の指示に従って自身の収入や控除に関する情報を入力していきます。給与所得者であれば、源泉徴収票の情報を入力し、医療費控除やふるさと納税などの控除があれば、その情報を入力します。
  3. マイナンバーカードの読み取り:入力が完了したら、マイナンバーカードをスマートフォンのNFC機能で読み取ります。この際、マイナンバーカードに設定したパスワード(署名用電子証明書のパスワードなど)の入力が必要です。これにより、電子署名が行われ、本人確認が完了します。
  4. データの送信:すべての入力と本人確認が完了したら、申告データをe-Taxに送信します。送信が正常に完了すると、受付完了のメッセージが表示されます。
  5. データの保管:申告データを送信した後も、提出を省略した添付書類(医療費の領収書など)は、税務署から提出を求められる可能性があるため、5年間保管しておく必要があります。

この方法の最大の利点は、場所を選ばず、税務署に出向いたり、ICカードリーダーを購入したりする手間がない点です。例えば、通勤電車の中や休憩時間など、ちょっとした空き時間にも作業を進められ、非常に効率的です。

PCで申告する場合

結論として、パソコンとICカードリーダー(またはNFC対応スマートフォン)があれば、より詳細な申告や複雑なケースにも対応できます。特に、事業所得がある個人事業主や、複数の所得がある方にはPCでの申告が適しています。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. e-Taxソフトのインストールまたは確定申告書等作成コーナーへのアクセス:PCを利用する場合、より高度な機能を持つ「e-Taxソフト」をインストールするか、ウェブブラウザで「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。どちらを選ぶかは、申告内容の複雑さやご自身のPCスキルによります。
  2. 利用者識別番号でログイン:事前に取得した利用者識別番号と、ご自身で設定した暗証番号を入力してログインします。
  3. 申告内容の入力:画面の指示に従い、収入や所得控除、税額控除などの情報を入力します。会計ソフトを利用している場合は、そのデータを連携させることで、大幅に入力の手間を省くことも可能です。例えば、会計ソフトで作成した仕訳データをe-Taxソフトに取り込み、確定申告書に反映させることができます。
  4. 電子署名と送信:入力が完了したら、マイナンバーカードをICカードリーダーに挿入するか、NFC対応スマートフォンを連携させ、電子証明書を使って電子署名を行います。その後、作成した申告データをe-Taxへ送信します。
  5. 送信結果の確認と保管:送信完了後、e-Taxから送信結果に関する通知が届くので、必ず内容を確認してください。送信した申告データや提出を省略した書類は、スマートフォンでの申告と同様に大切に保管しておきましょう。

PCでの申告は、画面が大きく見やすいことや、複数のウィンドウを開きながら作業を進められるため、入力ミスを防ぎやすいというメリットもあります。また、e-Taxソフトを導入すれば、XML形式のデータ作成など、より専門的な申告にも対応可能です。

よくある質問(FAQ)

e-Taxで申告するのに印鑑は必要ですか?

いいえ、e-Taxを利用して確定申告を行う場合、原則として印鑑は不要です。これは、2020年度の税制改正により、2021年4月1日以降に提出する申告書から押印義務が廃止されたためです。

確定申告書に押印は必要ですか?

いいえ、書面で提出する確定申告書についても、2021年4月1日以降の提出分から押印は不要になりました。e-Taxだけでなく、書面提出も印鑑なしで手続きが可能です。

e-Taxで確定申告をするメリットは?

e-Taxには多くのメリットがあります。主に、場所を選ばずに24時間いつでも申告できる利便性一部の添付書類の提出が省略できること、そして還付金がスピーディーに振り込まれる点が挙げられます。

e-Taxで確定申告をするには何が必要ですか?

e-Taxで確定申告をするには、主に以下の準備が必要です。マイナンバーカードと、NFC対応のスマートフォンまたはICカードリーダー、e-Taxのシステムを利用するための利用者識別番号、そして申告書を作成・提出するためのe-Taxソフトまたは国税庁の確定申告書作成コーナーが必要です。

本記事では、e-Taxでの確定申告について、以下の点を詳しく解説しました。

  • 確定申告に印鑑は不要:2021年4月1日以降、確定申告書の押印義務は廃止されました。e-Taxでは、電子署名と電子証明書(マイナンバーカード)により本人確認が行われます。
  • e-Taxの大きなメリット
    • 場所や時間を選ばず、24時間いつでも申告できる利便性
    • 一部の添付書類の提出が省略可能
    • 還付金がスピーディーに振り込まれる
  • 必要な準備
    • マイナンバーカードと、NFC対応スマートフォンまたはICカードリーダー
    • 利用者識別番号の取得
    • e-Taxソフトまたは国税庁の確定申告書作成コーナーの利用
  • 具体的な申告手順:スマートフォンで完結する方法と、PCで申告する方法のそれぞれについて、ステップバイステップで解説しました。

e-Taxを利用することで、確定申告はより手軽で便利な手続きへと変わりました。特に、スマートフォンひとつで完結できるようになったことは、多忙な方にとって大きなメリットです。本記事を参考に、必要な準備を整え、スムーズな確定申告をぜひ実践してみてください。国税庁のウェブサイトでは、最新の情報や詳細な手順が提供されていますので、あわせて確認することをおすすめします。

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